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[再] 2008/07/22付け インドネシア人の投書:日本への原爆投下

2024-09-14 01:51:23
2024-09-16 07:55:51
目次

以前、他のブログに掲載していた記事の再掲です。

インドネシアの地方紙に掲載されてた読者からの投稿です。先に再掲した投書記事と同じ読者によるもの。まだWebで原文を読むことが出来ます。下記Urlは現在リンク切れです。

http://m.suaramerdeka.com/index.php/read/cetak/2008/07/22/23079
このページの2つめの投書です。
※下記「再掲載」内のurlは、クリックしてもNot Foundとなります。

▼▼▼ 再掲載 ▼▼▼

インドネシア紙「Suara Merdeka」の投書に、広島・長崎の原爆投下について書かれた記事がありましたので、訳出のうえご紹介したいと思います。

Perdamaian(2008年7月22日付けの記事)
http://www.suaramerdeka.com/smcetak/index.php?fuseaction=beritacetak.detailberitacetak&id_beritacetak=23079
言い回し(文章表現)が結構複雑で日本語訳に手こずってます。インドネシア語OKな方は是非原文をご覧ください。

※※※

論説(Wacana) – 意見(Gagasan)欄の投書から

平和

我々の記念日を祝う8月*1がやってくる。つまり、350年間占領された国家が、植民地支配者であるオランダと日本の桎梏から開放された独立国家として、自らを宣言した記念日である。インドネシア民族はオランダに350年間、日本に3.5年間占領*2された。スカルノ-ハッタが宣言した偉大な独立民族として、このような出来事が起きるとは、とても世界は予想していなかったのだ。何世紀にもわたって押さえつけられ、その活力を吸い取られたにもかかわらず、植民地主義者と帝国主義者を大胆にも倒して立ち上がる民族が存在することを! しかし、この喜びの一方、同じ月には悲惨な出来事、つまり日本の2つの都市、広島と長崎へ原子爆弾が投下されたのだ。原子爆弾は、日本を降伏させるためにアメリカが投下した。

この2つの都市では、罪もない数万人の人々が犠牲者となった。この人道にも外れる残虐行為を、罪もない人々が受けるべきだったのか! 原子爆弾の投下は脅しでもあった。つまり、日本がアメリカと連合国に降伏しないなら、さらに爆撃が行われるだろうと。しかし、既に繰り返し絶え間なく日本は爆撃されていたというのに。

日本の主要都市は大規模な爆撃を受けており、その結果日本人は防空壕に隠れるばかりであった。人々は粥をすすらねばならなかった。広島はそんなにも多くの犠牲者を出したが、理性的な理由もない方法で勝利を得るのは妥当だったのか? 紛争、敵対、戦争では、どちらか一方が勝利せねばならない。人類文明を理由として相手を打ち負かすのなら、その目的はどんな方法をも許すと言い逃れるのか? 人間は、まだ宗教・文明の規範と人間性を互いに理解していると私は思っている。だから、どんな方法でも許されるわけではないのだ。63年間、日本国民は非常に辛い現実を経験してきた。

もしエゴイスティックであらゆる障害は粉砕されるべきと考える指導者がいたとしよう。上に述べた出来事が繰り返されるだけだ。例としてあげると、アメリカはイラク、アフガニスタンを粉砕した。次はイランを狙っている。神は原子核の発見を許されたが、互いに殺し合うことなど許していない。その逆であって、互いに助け合うことなのだ。

私は、オランダの支配で辛い経験をしたインドネシアが、核兵器の使用禁止に立ち上がることを願う。そして、平和と人類文明のための原子力利用を先導するよう、アメリカによってその尊厳を卑しめられ辛い経験をした日本と平和のために有効な仲介を行うべきなのである。

訳注

*1: 8月17日はインドネシアの独立記念日。1945年8月17日、スカルノとハッタがインドネシア民族の名において独立を宣言した。

*2: インドネシアの独立はオランダに対してと同様日本に対しても抵抗し達成された、という歴史観はインドネシアでの一般的な理解です。インドネシアの学校教育で使われている社会科・歴史教科書の訳をご覧ください。
・高等学校3年生用歴史教科書「日本軍占領時代」
https://indo-ka.sakura.ne.jp/buku_pelajaran/

※※※

投稿者は独立戦争で活躍した陸軍軍人Bambang Sugeng将軍(後の在日本大使)の弟さんのようです。

・Bambang Sugeng についてのブログ記事(インドネシア青年海外協力隊)
http://jocvindo.exblog.jp/6162070/

「Suara Merdeka」はスマラン(中部ジャワ)を拠点とした地方紙。上記投稿者の名前は頻繁に投書欄に登場します。常連さんのなのでしょう。同氏の全ての投書を読んだわけではありませんが、「日本贔屓」「パンチャシラ(インドネシア建国五原則)への忠誠」という基本的な立場があるようです。また、他の投書から、兄のBambang Sugeng将軍と同様PETA(祖国防衛義勇軍)そしてインドネシア国軍(現在は退役)というキャリアとのこと。

ところで、インドネシアはいつごろ原子力発電を始めるつもりなんでしょう。石油輸入国になってしまいましたから、代替エネルギーとして遅かれ早かれ原子力も導入すると思いますが、地震の多い国ですからね、安全管理には十分気を使って欲しいものです。

▲▲▲ 再掲載 ▲▲▲

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